「キャバレーの大先生ですか?」
行きつけの大衆酒場で27~8の美人から声をかけられた
「私、大先生がタウン誌に連載してるネオン街コラムの大ファンです」
「ホンマですか、それはうれしいな」
「キャバレーの面白い話をぜひ直接聞かせていただきたいと思って来ました」
「それなら今からキャバレーへ連れて行ったげよ」
キャバレーの面白い話だったら実際にキャバレーで聞いてもらうのが一番
午後7時、十三一番街にあるキャバレー“グランドサロン十三”に入った
ホステスを4人指名した
「今夜はパァ~っと楽しもう」
「・・・」
「キャバレーの楽しいところはね」
「・・・」
キャバレーの話を聞かせて欲しいと言うから連れて来たのに、全然私の話に乗って来ない
美人は30分ほどで帰ってしまった
嫌われたのかな
話が面白くなかったのかな
1人店に残って、落ち込んでいた
すると翌日、昨夜の美人から電話がかかってきた
「もっとキャバレーの話を聞かせてください。夕方、お時間ありますか?」
嫌われてなかった
名誉回復、今夜こそキャバレーの面白い話をいっぱいして楽しませてやろう
喜び勇んで、指定された阪急・十三(じゅうそう)駅前の喫茶店へと出て行った
すると
「エッ!?」
喫茶店に入ると美人はスーツのオッサンと並んで座っていた
2人の前に座るとオッサンの方が満面の笑顔で
「彼女から報告を受けて来させていただきました」
「え?」
「お顔の広い大先生にご紹介したい商品がありまして」
「え?」
美人が続けた
「この商品で稼いでください。大先生でしたら必ず儲けられます」
「ええ加減にしろよ、お前ら~~」
ネットワークビジネスの勧誘だった
☆キャバレー“グランドサロン十三”
